こどもをあきらめて猫を飼い始めた

結婚してもうすぐ10年、不妊治療は人工授精まで。それ以上は進まなかった。仕事も忙しく、病院に通うストレスも大きく、スケジュールに縛られる窮屈さは数か月ならまだしも数年にわたり、そのうえ毎月毎月結果は血と腹痛と共に残酷にやってくる。スケジュールの都合上飲み会を断って旅行を断ったというのに、パートナーに突然の出張や風邪や怪我による中断。なぜこんな窮屈な生活をしているのかわからなくなる。そのことが原因で不機嫌になったり喧嘩をしたり。自分たちよりずっと後に結婚した友人がどんどん母親になり、第二子第三子の報告もSNSで目にする。なにより私たちに「こどもができない理由がわからない」ことがつらかった。何か目標を掲げ生活を改善することもできないし、何かのせいにすることすらできない。

 

私は昔から猫が好きだった。実家にはいつも猫がいた。18歳で実家を出てから、ずっと猫と暮らしたいとは思っていたけど、もし子供ができて子供が猫アレルギーだったりしたら猫も子供もかわいそうなので、猫と暮らすなら子供がある程度成長してから、と考えていた。

 

でももうそれもやめた。今、私は旅行に行きたいときに行きたいし、お誘いに行きたいと思ったら行きたい。今私は猫と暮らしたい。将来ではなく。今。

そしてすぐにペット化の物件に引っ越し、保護猫活動をしている知人から猫を紹介してもらい、3匹の猫とうちで暮らすことにした。

 

「猫を飼ってストレスをやわらげれば、ふと子供ができたりするかもね」なんて身近な人に言われた。期待しないと意外とね、なんて話はよく聞く。でもそんなことはない。子供はできていない。これが現実だ。

 

私はもうすぐ37歳になる。